私は大学3年生の時に、小学校教員資格認定試験に最年少で1発合格しました。その時の自分の経験や、周りの受験者さん(今でも親交がある方も多いです)の話から、今後小学校教員資格認定試験を受験される方向けに「勉強法」を書き記していきたいと思います。
- 小学校教員資格認定試験のオススメ勉強法
小学校教員資格認定試験のオススメ勉強法
勉強する前にまず考えなければいけないこと
まず勉強を始める前に、以下の4点について考えなければいけません。1次試験の準備さえすればいいと思いがちですが、2次試験については1次試験の合格発表から3週間弱しか時間がないので、1次試験と並行して準備を進める必要があります。
・1次試験の選択科目を何にするのか
・1次試験の一般教養は免除されるのか
・2次試験の実技科目を何にするのか
・2次試験の論述科目を何にするのか
1次試験の選択科目を何にするのか
1次試験の科目は、教職教養+小学校全科(教員採用試験と異なり、小学校教員資格認定試験では6科目選択です)+一般教養(条件により受験しなければいけない人もいます)の3科目で構成されており、それぞれで6割以上の点数を取らなければいけません。
教職教養・一般教養に関しては選択するものはないのですが、小学校全科については全9科目(国・算・理・社・生・音・図・体・家)の中から6科目を選択して受験することになります。ですので勉強する際には、先に6科目に絞ってから勉強をするのが得策です。
ほとんどの受験者が「実技4科目(音・図・体・家)+生活+主要科目の中から1科目」の選択をしているのが現状です。(私の周りの受験者もほとんどがその選択でした。)なぜなら、実技科目に関しては主要科目に比べて指導要領の内容が薄く、知識分野もあまり難しい問題が出題されない傾向にあるからです。生活に関しても、低学年のみで実施される科目であるため、指導要領の内容が薄く、知識分野の問題も易しいため、ほとんどの方が選択します。
個人的には、理系出身の方であれば、算数と理科はかなり易しいと思います。その反面、理系にとっては「図工」が難しいと思います。(美術史などが多く出題されるため)ですので、理系出身者は図工を選ばずに、算数と理科を選んだ方がいいかもしれません。(ウサ自身が理系なので、理系からの観点のみしかなくすみません)
<文系科目が得意な方にオススメの選択科目>
*国語or社会+生+実技4科目
*国語+社会+生+実技3科目
<理系科目が得意な方にオススメの選択科目>
*算数or社会+生+実技4科目
*算数+理科+生+実技3科目
1次試験の一般教養は免除されるのか
ほとんどの方には当てはまりませんが、一部の方は一般教養を受験しなければいけません。(高等教育機関での単位取得数によります)自分が一般教養免除者にあたるのか、そうでないのかは真っ先に確認した方がいいと思います。
なぜなら、一般教養は「最難関科目」であるからです。教員採用試験の一般教養よりも難しいと考えてください。早めの対策が必要ですので、先に確認しておきましょう。
一般教養対策にはオープンセサミか、らくらくマスターがオススメです。
教員採用試験対策セサミノート 2 一般教養 2019年度版 オープンセサミシリーズ (東京アカデミー編)
教員採用試験対策問題集 3 一般教養II(社会科学) 2019年度版 オープンセサミシリーズ (東京アカデミー編)
教員採用試験対策問題集 2 一般教養I(人文・自然科学) 2019年度版 オープンセサミシリーズ (東京アカデミー編)
2次試験の実技科目を何にするのか
前述の通り、2次試験の実技科目については先に準備をしておかなければ間に合いません。実技科目は音楽・体育・図工の3科目から2科目を選択します。こればかりは個人の得意不得意があると思いますので、それで選ぶしかありませんが、どれも求められるものが意外と高いです。
音楽については、単にピアノを弾けるだけではダメで、弾き語り(弾き歌い)をしなければいけません。1次試験の合格発表の時に曲目も発表されるので、本番で歌う曲は実質1ヶ月未満しか練習できません。短期間で弾き語りをできるようにするためには、もともとピアノをある程度弾ける人でないと厳しいと思います。たとえ、1年前からピアノを習い始めたとしても、1ヶ月で本番の曲を仕上げるのは困難なことです。
体育については、人並み程度に体育をこなしてきた人であれば大丈夫です。大人になっている分、事前練習はしないといけませんが、近くに公園があればなんとかなります。ごくたまにリフティング(サッカーの)が課題になることがあるので、その練習だけは大変かもしれません。
図工については、人並み程度に図工をこなしてきた人であれば大丈夫です。音楽と同様に1次試験の合格発表の時に課題が発表されますが、心配であれば絵画教室に1年ほど通っておけば大丈夫でしょう。絵のセンスがなくても、ピアノが弾けない人は図工にしておいた方が無難だと思います。
まとめると、ピアノが弾ける人は音楽+体育or図工、弾けない人は体育+図工の1択です。自分自身の経験とよく照らし合わせて検討してみてください。
2次試験の論述科目を何にするのか
2次試験の論述は、科目ごとで内容が異なりますが、受験者の傾向をみると文系と理系で偏りがあります。
全体で1番選択されている科目は「生活」です。これは前述の通り、学習指導要領の内容も知識分野の内容も少ないため、覚える内容が少なくて済むということから選択される方が多いです。次に選択されている科目は「体育」です。これも理由としては生活と似たような形だと思います。文系の方はこの2科目を選択している方がほとんどでした。
一方で、理系の方は「算数」を選んでいる人が多い印象です。私自身も算数を選択しました。算数については半分が中学校数学の論述問題、半分が学習指導要領からの論述問題なので、学習指導要領の方で失敗しても、中学校数学を解ける人なら50点以上は堅いという易しい科目であると考えています。また、「理科」を選ぶ人も多いです。理科も算数と同じ傾向にある&中高学年の科目であるため学習指導要領の内容が少なめというのが理由です。
勉強を始める時期はいつがいいのか
早ければ早いほどいいです。特に実技に関してはそれが言えます。受験者の層によって勉強を始める時期のオススメを書いていきたいと思います。
短大・専門・大学を卒業したブランクのある方
ブランクのある方は、1年前から準備を始めることをオススメします。
- 1次と2次の受験科目を選ぶ(1年前)
- 必要があれば実技科目を習いに行く(1年前)
- 教職教養・一般教養の勉強を始める(1年前)
- 小学校全科の勉強も並行して始める(8ヶ月前)
大学在学中の方(教職を取っていない方)
現役大学生で、教職を取っていない方はブランクのある方と同じ流れで対策をしましょう。教職教養に時間がかかると思います。
大学在学中の方(教職を取っている方)
現役大学生で、教職を取っている方は実技だけ対策して、知識は後々詰めれば間に合います。
- 2次の実技科目を決め、必要があれば実技科目を習いにいく(1年前)
- 1次の科目選択をする(8〜6ヶ月前)
- 小学校全科の勉強を始める(8〜6ヶ月前)
- 教職教養の勉強を始める(3ヶ月前)
1次試験教職教養の勉強方法
東京アカデミーが出版しているオープンセサミの参考書・問題集・セサミノートをそろえて勉強することをオススメします。
教員採用試験対策参考書 1 教職教養I(教育原理・教育史 ) 2019年度版 オープンセサミシリーズ (東京アカデミー編)
教員採用試験対策問題集 1 教職教養 2019年度版 オープンセサミシリーズ (東京アカデミー編)
教員採用試験対策セサミノート 1 教職教養 2019年度版 オープンセサミシリーズ (東京アカデミー編)
教員採用試験対策参考書 2 教職教養II(教育心理・教育法規) 2019年度版 オープンセサミシリーズ (東京アカデミー編)
詳しくはこちらの記事を参考にして下さい。
教職教養の大変なところは「たくさん覚えなければいけないことがある」というところです。セサミノートは参考書や問題集を見ながら、ピンポイントで暗記すべきところを書き込んで行けますので、かなり効率よく勉強できます。
- 参考書を読む
- 問題集を解く
- セサミノートで復習する
の流れで勉強すれば、確実に力が付きます。オープンセサミをきちんとこなせば、教職教養で6割の基準は軽くクリアできます。
1次試験小学校全科の勉強方法
高校受験で偏差値60-70程度の高校に入学している人であれば、全科の知識問題についてはあまり準備することはないと思います。(選択科目によります)
各教科、半分が知識問題、半分が学習指導要領からの問題ですので、学習指導要領の方はきちんと勉強しておかなければいけません。
そのためにも、まず選択する科目の学習指導要領は購入しておきましょう。ボロボロになるまで読み込み、整理しましょう。また、オープンセサミを購入しておけば、学習指導要領についてさらに対策が可能です。
教員採用試験対策問題集 専門教科小学校全科 2019年度版 オープンセサミシリーズ (東京アカデミー編)
教員採用試験対策参考書 専門教科小学校全科 2019年度版 オープンセサミシリーズ (東京アカデミー編)
教員採用試験対策セサミノート 専門教科小学校全科 2019年度版 オープンセサミシリーズ (東京アカデミー編)
小学校全科のオープンセサミやその他の参考書・問題集について詳しくはこちらをご覧ください。
- 学習指導要領を読みながら、何年生で何の分野を学習し、何に留意するのかをノートにまとめる
- オープンセサミの参考書を読む
- オープンセサミの問題集を解く
- セサミノートにまとめる
というような流れで勉強していけば大丈夫です。大事なのは学習指導要領を読み込むことです。
2次試験実技の対策方法
前述させていただきましたが、ピアノを弾ける人は、音楽と体育もしくは図工を選択しましょう。ピアノを弾けない人は、体育と図工を選択しましょう。音楽だけハードルが高いのが実技の特徴です。
音楽実技の対策方法
課題曲がわかるのが1次試験合格発表時です。ブランクがなければ大した対策は必要ありませんが、ブランクがあると事前の対策が重要です。
ブランクありの人の対策方法
- 小学校で習う曲の伴奏を集めた楽譜を購入する(1年前)
- ピアノがあればピアノ、もしくはキーボードで購入した楽譜になっている色々な曲を練習する(歌も伴奏も)(1年前)
- 弾き語りを練習する(半年前)
- 課題曲が分かったらその楽譜を用意する(練習した曲にその曲があればラッキー)
- 歌と伴奏を完璧になるまで別々に練習する
- 弾き語りの練習をする
- 本番前に1度はピアノで練習する(キーボードで練習している人は注意。ピアノはキーボードよりタッチが重いです。スタジオレンタルなどを利用するのもあり)
楽譜はこちらの3冊を購入するのがオススメです。教員になってからも使えます。
ブランク無しの人の対策方法
ブランクありの人の4.〜7.だけでOKです。
体育実技の対策方法
ほとんど家や公園で練習できてしまうと思います。
必ずやっておきたい練習
- シュート(バスケットボール)
- リフティング(サッカー)
- ジグザグドリブル(サッカー)
- 倒立前転(マット運動)
- 側転(マット運動)
- 伸膝前転・後転(マット運動)
- 逆上がり(鉄棒)
マット運動は自宅で布団を敷いて練習しましょう。意外となんとかなります。自宅近辺でバスケットゴールのある公園を探し、バスケやサッカー、鉄棒はその公園で練習するといいと思います。ボールは小学生用のボールを購入しましょう。
各科目の注意点は学習指導要領またはこちらの本を読むといいと思います。
図工実技の対策方法
私は図工を選択していないので、周りの合格者に話を聞いたところ、絵画教室にわざわざ通ったという方が多かったです。とにかくいろんなテーマで絵を描いて練習したそうです。
中学校美術のレベルの絵を練習しておくといいということを聞きました。情報が少なくて申し訳ないですが、本当にみなさん絵画教室に通われている方ばかりでしたので、独学の対策方法はあまり情報がありませんでした。
2次論述試験の勉強法
2次論述の対策は1次試験後で大丈夫だとは思いますが、合格者の勉強法を集めることができた科目だけ記していきます。私は算数を選択したので算数だけ詳しく書いています。(他の科目は箇条書きですみません)
算数の対策
- 中学生向けの高校受験テキストを1冊仕上げる
- 学習指導要領を読み込み、自分で解説できるようにしておく
算数に関してはこの2点だけで大丈夫です。特に「論じる」練習はする必要がありません。中学生向けの高校受験テキストですが、オススメはこちらのテキストです。論述問題については、特に証明問題のところをきちんと学習しておくといいと思います。
生活
- 学習指導要領を読み込む
- 自分で課題を設定し、論じる練習を行う (ひたすら時間を測って論述をする練習を行う)
体育
- 学習指導要領を読み込む(表現のところが難しいのでそこを重点的に)
- 自分で各分野について、論じる練習を行う
こんな本が出版されているので、論述の教科については購入しておくといいかもしれません。
3次試験 学習指導案作成の対策
指導案についてはこちらの記事を参考にしてください。必ず事前に書く練習をして試験に臨みましょう。ルールがたくさんあります。
3次試験 集団討論の対策
集団討論については、必ず集団討論に関する本を読んでおきましょう。教員採用試験用のものでなくても大丈夫です。自分の意見を述べるだけでなく、他人の意見を否定しないこと。論点をずらさないことを意識しましょう。
こちらの本がオススメです。
まとめ
とにかく勉強は早く始めた方が有利です。小学校教員資格認定試験は重箱の隅をつつくような問題がたくさん出てきます。そのためにも少しでも早く対策を始めましょう。
1次試験が難関と言われていますが、実は難関なのは2次試験の実技だと思っています。(音図体のうち2科目以上得意な科目がある人は難関ではないかもしれませんが)特に安易に音楽を選択すると痛い目にあうと思います。実際、私が受験した時、音楽実技で同じグループになった「ピアノ初心者」の方はこぞって落ちていました。(誰も3次試験にいませんでした)
小学校教員資格認定試験受験は、計画的に勉強・対策すれば誰でも合格できると思います。試験に合格するためには、まずその試験をきちんと理解すること、勉強計画を立てることが大切です。
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